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DeepSeek V4-Flashとは?料金・性能・MITライセンスをClaude/GPTと比較【2026年8月版】のイメージイラスト:2026年7月31日に正式版APIが公開されたDeepSeek V4-Flashを解説。開発元は中国・杭州のDeepSeek。入力0.14ドル/出力0.28ドルの料金、知能指数50で旗艦V4-Proを逆転した性能、MITライセンスのウェイト公開、個人情報保護委員会の注意喚起を踏まえた日本の中小企業の判断ポイントを整理します。
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DeepSeek V4-Flashとは?料金・性能・MITライセンスをClaude/GPTと比較【2026年8月版】

2026年7月31日に正式版APIが公開されたDeepSeek V4-Flashを解説。開発元は中国・杭州のDeepSeek。入力0.14ドル/出力0.28ドルの料金、知能指数50で旗艦V4-Proを逆転した性能、MITライセンスのウェイト公開、個人情報保護委員会の注意喚起を踏まえた日本の中小企業の判断ポイントを整理します。

ゼットリンカー10分で読める

「DeepSeekがまた何か出したらしい」「今度は桁違いに安いAPIだと聞いた」——2025年初頭に世界を驚かせた中国のAI企業DeepSeek(ディープシーク)が、2026年7月31日に軽量モデル「DeepSeek-V4-Flash」の正式版APIを公開ベータとして公開しました。入力100万トークンあたり0.14ドルという価格と、軽量版なのに旗艦モデルを上回る性能で、再びAI業界の話題の中心になっています。

結論から言うと、V4-Flashは「いますぐ業務システムに組み込むべきAPI」ではなく、「AIの価格競争が新しい段階に入った」ことを示すニュースです。

先に、要点をまとめます。

  • DeepSeek-V4-Flashは総パラメータ2,840億の軽量モデル。2026年4月24日のPreview公開を経て、7月31日に追加学習を施した正式版(0731)がAPIで公開されました
  • API料金は入力100万トークンあたり0.14ドル・出力0.28ドルで、コンテキストは100万トークン。旗艦のV4-Proの約3分の1、米国の主要モデルと比べると桁が1つ〜2つ違う低価格です
  • 第三者評価では軽量版が旗艦を逆転。Artificial Analysisの知能指数で50を記録し、V4-Pro(44)を6ポイント上回りました
  • ウェイト(モデル本体)はMITライセンスで公開されており、商用利用・改変に制限がありません
  • ただし、日本の中小企業がDeepSeekの公式APIに業務データを流すことはおすすめしません。個人情報保護委員会が注意喚起を出している論点も含め、判断のポイントを本文で整理します

※本記事は2026年8月1日時点の公開情報にもとづいています。AIモデルの料金・仕様は変化が速いため、導入判断の際は本文中の出典(各公式ページ)もあわせてご確認ください。

DeepSeek V4-Flashとは?どこの会社が作ったのか?

DeepSeek-V4-Flashは、中国のAI企業DeepSeek(深度求索)が提供する大規模言語モデル「DeepSeek V4」シリーズの軽量版です。2026年7月31日に正式版のAPIが公開ベータとして公開されました。

DeepSeekは中国・杭州に拠点を置くAI企業で、ヘッジファンド・幻方量化(High-Flyer)の創業者である梁文鋒氏が2023年に設立しました。世界的に名前が知られたのは2025年1月、推論モデル「DeepSeek-R1」を米国トップモデルの数十分の一とされる開発費で公開し、米国のハイテク株が急落する「DeepSeekショック」を引き起こしてからです。日本でも当時、スマホアプリが一時App Storeの1位になったので、名前を覚えている方も多いと思います。

V4シリーズは2026年4月24日にPreview版が公開され、旗艦の「V4-Pro」と軽量の「V4-Flash」の2本立てで構成されています。7月15日にV4の正式ローンチが発表され、7月31日にまずFlash側の正式版APIが公開された、という流れです。

DeepSeek V4シリーズの構成と料金の位置づけ:2026年4月24日にV4 Preview公開(ProとFlashの2本立て)、7月15日にV4正式ローンチ、7月31日にV4-Flash正式版APIを公開。V4-Proは総パラメータ1.6兆・入力$0.435/出力$0.87・知能指数44、V4-Flash(0731)は総パラメータ2,840億・入力$0.14/出力$0.28・知能指数50でProを逆転。FlashのウェイトはMITライセンスで公開済みDeepSeek V4シリーズの構成と料金の位置づけ:2026年4月24日にV4 Preview公開(ProとFlashの2本立て)、7月15日にV4正式ローンチ、7月31日にV4-Flash正式版APIを公開。V4-Proは総パラメータ1.6兆・入力$0.435/出力$0.87・知能指数44、V4-Flash(0731)は総パラメータ2,840億・入力$0.14/出力$0.28・知能指数50でProを逆転。FlashのウェイトはMITライセンスで公開済み

主な仕様は次のとおりです(2026年8月1日時点・DeepSeek API公式ドキュメントより)。

項目内容
正式版公開日2026年7月31日(公開ベータ。モデル名は deepseek-v4-flash
パラメータ数総パラメータ2,840億(MoE構成。1回の応答で実際に動くのは約130億)
コンテキスト100万トークン(A4用紙 約1,500ページ分を一度に読める)
最大出力38.4万トークン
API形式OpenAI互換に加え、Responses API形式にネイティブ対応。Anthropic形式のエンドポイントも提供
ライセンスMITライセンスでウェイト公開(商用利用・改変とも制限なし)

今回の正式版(0731)の面白いところは、モデルの構造やサイズは4月のPreviewから一切変えず、追加学習(ポストトレーニング)のやり直しだけで性能を引き上げた点です。「モデルを大きくしなくても、学習のさせ方で性能はまだ伸びる」という近年の傾向を象徴する更新と言えます。

性能はClaudeやGPTと比べてどのくらい?

第三者評価のArtificial Analysisの知能指数で50を記録しました。4月のPreview版から10ポイント伸び、旗艦のV4-Pro(44)を6ポイント上回る「軽量版が旗艦を逆転する」結果になっています。

具体的な位置づけは次のとおりです(2026年8月1日時点)。

  • 評価機関Artificial Analysisの知能指数で50。OpenAIのGPT-5.6 Luna(最大設定で51)に1ポイント差まで迫り、GoogleのGemini 3.6 Flash(50)とは同点です
  • 重みが公開されているモデルの中ではトップ3に入る評価です
  • DeepSeek自身は、コマンドライン操作の能力を測るTerminal-Bench 2.1で82.7、ソフトウェア開発タスクのDeepSWEで54.4など、エージェント用途(AIが自律的に作業を進める用途)のベンチマークの伸びを強調しています。ただしこれらは自社測定値で、第三者による追試はまだ揃っていません

注意したいのは、これがAnthropicのClaude Fable 5やClaude Opus 5のような最上位モデルと並んだという話ではないことです。比較対象はあくまで各社の軽量〜中位クラスで、「フラッシュ級(軽量・高速な価格帯)の中で世界トップ水準に並んだ」というのが正確な理解です。最上位クラスの現在地はClaude Opus 5の解説記事で整理しています。

それでも、この価格帯でこの性能が出ること自体が驚きであり、2026年7月のKimi K3に続いて「中国発のモデルが米国トップ勢の背中に付けている」構図がまた一つ積み上がった形です。

料金はどのくらい安い?

入力100万トークンあたり0.14ドル、出力0.28ドルです(キャッシュ不使用時・2026年8月1日時点)。米国の主要な軽量モデルと比べても数分の一という水準です。

主要モデルとの比較です(いずれも100万トークンあたり・2026年8月1日時点、DeepSeek料金表Anthropic料金表より)。

モデル入力出力
DeepSeek-V4-Flash$0.14$0.28
DeepSeek-V4-Pro(Preview)$0.435$0.87
Claude Haiku 4.5(Anthropicの軽量クラス)$1.00$5.00
Claude Sonnet 4.6(Anthropicの中位クラス)$3.00$15.00

同じ質問を繰り返し処理する場合の「キャッシュヒット時」の入力単価は0.0028ドルまで下がります。また、V4正式ローンチの際には電力料金のような時間帯別の変動価格制(ピーク時間帯は通常の2倍)という、LLMのAPIとしては前例のない料金体系も予告されています(2026年8月1日時点では未適用)。AIの計算資源を「電気のように、混雑に応じた価格で使う」発想で、今後他社が追随するか注目されるポイントです。

2点、実務上の注意があります。第一に、V4-Flashは「考えてから答える」推論型のモデルで、出力課金は思考に使われたトークンにもかかります。単価の安さがそのまま請求額の安さになるとは限らないため、実際のコストは自社の代表的な作業を流して実測するのが確実です。第二に、単価の比較だけでモデルを選ぶのは危険です。業務システムでは「日本語の品質」「安定性」「データの取り扱い」を含めた総合判断になります(この論点は次のセクションで扱います)。

ライセンスは?自社サーバーで動かせる?

ウェイト(モデル本体)はMITライセンスで公開されており、商用利用・改変・再配布のいずれにも制限がありません。

2026年7月に公開されたKimi K3が独自ライセンス(大規模なAPI再販事業には個別契約が必要)だったのに対し、V4-Flashは正真正銘のオープンソースライセンスです。ライセンス面での扱いやすさは、オープンウェイトモデルの中でも頭一つ抜けています。

ただし、「自社サーバーで動かせるか」は別問題です。総パラメータ2,840億のモデルを動かすには大規模なGPU環境が必要で、中小企業が自社運用するのは現実的ではありません。実際には次の3つの使い方に分かれます。

  1. DeepSeekの公式APIを使う——最安だが、データは中国のサーバーで処理される(後述)
  2. 国内外のクラウド事業者がホストするAPIを使う——公開ウェイトを使った推論サービス経由。データの処理場所を選べる
  3. 自社・データセンターのGPUで動かす——ライセンス上は自由だが、設備投資と運用体制が必要

「オープンだから安心」「安いから使う」と一足飛びに公式APIへ行く前に、この3つのどれの話をしているのかを社内で区別することが、検討の第一歩になります。

日本の中小企業はいますぐ使うべき?

業務データを扱う用途でDeepSeekの公式APIをすぐ採用することは、おすすめしません。理由は性能ではなく、データの取り扱いと運用体制です。

第一に、公式APIやアプリでは、入力したデータが中国のサーバーに保存され、中国の法律が適用されます。この点は日本の個人情報保護委員会が2025年2月に注意喚起(情報提供)を出しており、政府機関に対しても業務利用に関する事務連絡が発出されました。イタリア・韓国・オーストラリアなど複数の国が政府端末でのDeepSeek利用を制限した経緯もあります。顧客情報や取引先との機密を含む業務データを流す先としては、契約でデータの取り扱いを担保できる法人向けAPIと同列には扱えません。

第二に、日本語の実務品質を示す第三者データがまだ少ないことです。公開されている評価は英語・コーディング中心で、日本語の敬語表現や業務文書でどこまで使えるかは、自社のユースケースでの検証が必要です。

第三に、AIの世界は数ヶ月で勢力図が変わることです。この記事で紹介した数字も、半年後には古くなっているでしょう。特定のモデルに深く依存するのではなく、モデルを差し替えられる設計にしておくことが、変化の速い時代の実務的な備えになります。V4-FlashがResponses API形式やAnthropic形式という「他社の標準」に自ら対応してきたことは、業界全体がモデル差し替え前提に動いている証拠でもあります。

では、このニュースを中小企業はどう受け止めればよいか。私たちは「乗り換えの号砲ではなく、価格交渉力の変化」と捉えています。フラッシュ級のAIがこの価格まで下がったことで、「AIを大量のデータ処理に使う」施策——書類の仕分け、問い合わせの一次分類、過去データの構造化など——の採算ラインが大きく下がりました。実際に使うモデルがDeepSeekであれClaudeであれ、「この価格帯なら、あの業務もAI化の対象になる」という選択肢の広がりこそが、経営にとっての本質的な変化です。

AIの回答品質やデータの扱いを導入前にどう確認するかは、AI導入前に確認すべき10項目で整理しています。「安くなったら試したかった業務がある」という段階なら、1〜2ヶ月から始めるAI PoC開発が向いています。「どのAIを選べばいいか分からない」という段階でも、お問い合わせからお気軽にご相談ください。お見積もり・ご提案は無料です。

本記事の出典(いずれも2026年8月1日閲覧):DeepSeek API Docs: Change Log(正式版リリースノート) / DeepSeek API Docs: 料金表 / DeepSeek API Docs: V4 Previewリリース / Artificial Analysis: V4-Flash 0731が知能指数50を記録 / Anthropic公式料金表 / 個人情報保護委員会: DeepSeekに関する情報提供 / Al Jazeera: DeepSeekへの各国の措置

よくある質問(FAQ)

Q. DeepSeek V4-Flashはいつから使えますか?

A. すでに使えます。2026年7月31日に正式版APIが公開ベータとして公開されており、モデル名に deepseek-v4-flash を指定するだけで最新版が呼び出せます。旗艦のV4-Proの正式版APIは2026年8月上旬以降に順次対応が予告されている段階です(2026年8月1日時点)。

Q. DeepSeekはどこの国の会社ですか?

A. 中国・杭州に拠点を置くAI企業です(正式名称は杭州深度求索人工智能基礎技術研究有限公司)。ヘッジファンド・幻方量化(High-Flyer)を母体に2023年に設立されました。日本の企業が業務で使う場合、「どこの国の企業が開発・運営しているか」はデータの保存場所や準拠法に直結するため、本文のセキュリティの項目もあわせてご確認ください。

Q. DeepSeek V4-Flashは無料で使えますか?

A. チャットサービス(アプリ・Web)は無料で使えますが、APIは入力100万トークンあたり0.14ドル・出力0.28ドルの有料です(2026年8月1日時点)。MITライセンスで公開されたウェイトは無償で入手できますが、総パラメータ2,840億のモデルを動かすGPU環境の費用が別途かかります。

Q. DeepSeek V4-Flashの料金はいくらですか?

A. 入力100万トークンあたり0.14ドル、出力100万トークンあたり0.28ドルです(キャッシュ不使用時・2026年8月1日時点)。キャッシュヒット時の入力は0.0028ドルまで下がります。ピーク時間帯は料金が2倍になる時間帯別価格制も予告されていますが、2026年8月1日時点では未適用です。詳細は本文の料金セクションをご覧ください。

Q. DeepSeek V4-Flashは日本語に対応していますか?

A. 多言語に対応していますが、公開されている性能評価は英語・コーディングが中心で、日本語の実務品質を示す第三者データはまだ少ない状況です(2026年8月1日時点)。業務で使う前に、自社の実際の文書・ユースケースで、いま使っているモデルと比較検証することをおすすめします。

Q. DeepSeek V4-Flashは商用利用できますか?

A. できます。APIは利用規約の範囲で商用利用可能です。公開されたウェイトはMITライセンスで、自社利用・自社製品への組み込み・改変・再配布のいずれにも制限がありません。ライセンス面はオープンウェイトモデルの中でも最も扱いやすい部類です。ただし商用利用の可否と、業務データを預けてよいかは別の論点です(本文のセキュリティの項目参照)。

Q. ClaudeやChatGPTからDeepSeekに乗り換えるべきですか?

A. 急ぐ必要はありません。価格は魅力的ですが、公式APIは業務データが中国のサーバーで処理される点で法人利用のハードルが高く、日本語品質の検証材料も揃っていません。まずは「モデルを差し替えられる設計になっているか」を確認し、機密を含まないデータでの比較検証から始めるのが現実的です。

Q. DeepSeekを使うと情報漏えいのリスクがあるというのは本当ですか?

A. 「使うと漏える」という単純な話ではありませんが、公式APIやアプリでは入力データが中国のサーバーに保存され、中国の法律にもとづく提供義務の対象になり得ることを、日本の個人情報保護委員会が2025年2月に情報提供として公表しています。個人情報や機密情報を入力しない運用の徹底、または公開ウェイトを国内環境でホストする構成の選択が、実務上の対応になります。

Q. ゼットリンカーではDeepSeek V4-Flashを使っていますか?

A. 使用していません(2026年8月時点)。本記事は公開情報の調査にもとづく解説です。ゼットリンカーの受託開発では、入力データが学習に使われないことを契約で担保できる法人向けAPIを中心に、用途とお客様のセキュリティ要件に応じてモデルを選定しています。

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