先に、要点をまとめます。
- Access 2021のサポートは、米国太平洋時間の2026年10月13日(日本時間では10月14日の夜)で終わります。 終了後もファイルは開けますが、セキュリティ修正と不具合修正は届かなくなり、延長サポートもありません。
- 最初にすることは、社内のAccessの版と、そのAccessで動いている業務の棚卸しです。 版によって期限が違い、Access 2016と2019はすでに2025年10月に終了しています。
- 対応は「Access本体を新しい版にする」「データだけ別のデータベースへ移す」「業務システムとして作り直す」の3つから選びます。 利用人数、同時に更新する人の数、社外や外出先から使う必要、VBAの量で判断が分かれます。
2026年10月6日時点で、Microsoftの公式ページを確認した情報です。サポート期限や製品の構成は変わることがあるため、判断の直前には本文中の公式ページをご確認ください。
Access 2021のサポートはいつ終わりますか?
米国太平洋時間の2026年10月13日です。Microsoftのライフサイクルページでは、終了時刻が太平洋時間の10月14日午前6時59分59秒と表示されています。
Access 2021のライフサイクルページには、提供開始が2021年10月5日、終了が上記の日時と記載されています。日本時間に直すと10月14日の22時59分59秒です。Access 2021はOffice 2021の一部としても提供されており、Office 2021のサポート終了の案内では、延長も延長セキュリティ更新プログラム(ESU)も提供しないと明記されています。
企業向けのボリュームライセンスで導入したOffice LTSC 2021も、同じ日時に終了します。
ほかの版の期限は次のとおりです。
2026年10月6日時点の公式ライフサイクルページの記載(日付は米国太平洋時間)。
| 版 | サポート終了 | 出典 |
|---|---|---|
| Access 2016 | 2025年10月14日(終了済み) | Access 2016 |
| Access 2019 | 2025年10月14日(終了済み) | Access 2019 |
| Access 2021 | 2026年10月13日 | Access 2021 |
| Access 2024 | 2029年10月9日 | Access 2024 |
| Microsoft 365に含まれるAccess | 契約を続け、更新を適用している間は提供 | Microsoft 365に含まれるAccess |
Access 2016や2019を使い続けている会社は、今回の期限より前にすでに更新が止まった状態にあります。「2021の話だから自社は関係ない」と判断する前に、実際に入っている版を確かめてください。
サポートが終わると、Accessで作った業務は止まりますか?
止まりません。ファイルは開けて、入力も集計もこれまでどおり動きます。変わるのは、見つかった脆弱性や不具合が今後修正されないことです。
既存システムを移行したいについて相談する老朽化した業務システム、限界がきたSaaS、連絡の取れない開発会社が作ったシステムを、業務を止めずに引き取って作り変える受託開発既存システムを移行したいを見る →Microsoftの案内でも、アプリは引き続き動作する可能性があるとしたうえで、セキュリティ上のリスクにさらされると説明しています。このため「10月14日に業務が使えなくなる」わけではありません。
ただし、期限を過ぎた状態で使い続けるときには、次の点が残ります。
- 社内のセキュリティ規程や取引先の監査で「サポート期限内のソフトウェアを使うこと」が条件になっている場合、そのPCが条件を満たさなくなります。
- WindowsやOfficeのほかのアプリを更新したときに、古いAccessとの組み合わせで不具合が出ても、修正は提供されません。
- Accessのファイルを共有フォルダに置いて複数人で使っている場合、問題が起きたときに切り分けられる人が社内に残っているかが、復旧の速さを左右します。
期限そのものより、「問題が起きたときに直す手段が減る」ことが判断の材料です。
まず何を確認すればよいですか?
Accessの版と、そのAccessの中にある業務の部品を書き出します。この棚卸しが、3つの対応のどれを選ぶかの根拠になります。
版は、Accessを開いて[ファイル]→[アカウント]の製品情報で確認できます。複数のPCで使っている場合は、PCごとに版が違うことがあります。Microsoft 365の契約で使っているPCと、買い切り版が入ったPCが混在していないかも確かめてください。
次に、Accessのファイルの中身を書き出します。以下は受注管理を題材にした確認例です。当社が受託した案件の内容ではありません。自社のファイルに置き換えて確認してください。
| 部品 | 確認すること | 確認例(受注管理) |
|---|---|---|
| テーブル | 何の情報を、何件くらい持っているか | 顧客・商品・受注・受注明細。受注は約8年分 |
| クエリ | 集計や抽出の条件はどこに書かれているか | 月末締めの売上集計、未出荷の一覧 |
| フォーム | 誰がどの画面で入力しているか | 受注入力は事務担当3名、出荷登録は倉庫2名 |
| レポート | 紙やPDFで外に出している帳票はどれか | 納品書、請求書、月次の売上表 |
| VBA・マクロ | 自動で動いている処理はあるか | 請求書の連番採番、CSVの取り込み |
| 外部との接続 | ほかのファイルやシステムを参照していないか | 会計ソフトへのCSV出力、Excelの単価表へのリンク |
| 管理者 | 作った人・直せる人はいるか | 作成者は退職。修正できる人はいない |
この表を埋めると、Accessの中で「データを持っている部分」と「業務の手順を担っている部分」が分かれて見えてきます。VBAやクエリに締め処理や採番のルールが書かれている場合、その部分は移行のたびに確認が必要な箇所です。
作った人が退職していて中身が分からない場合は、仕様書や担当者がいないシステムを引き継ぐ手順で、現状調査の進め方を扱っています。
どの対応を選べばよいですか?
少人数で社内だけで使い、いまの画面に不満がなければAccess本体の更新、データの量や同時更新が問題ならデータだけ移す、社外から使う・権限を分ける必要があれば作り直しを比べます。
Accessの利用人数・同時更新・社外からの利用・VBAの量から、Accessの更新・データだけ移す・業務システムとして作り直すの3つに分かれる判断フロー
| 対応 | 中身 | 合う条件 | 残る課題 |
|---|---|---|---|
| Access本体を新しい版にする | Microsoft 365のAccessやAccess 2024へ入れ替える | 利用者が数人、社内のPCだけで使う、画面と帳票に不満がない | 作った人がいない状態は変わらない。共有フォルダでの同時利用の制約も残る |
| データだけ別のデータベースへ移す | テーブルをSQL Server等へ移し、Accessの画面から接続する | データ量や同時更新で不具合が出ている、画面は使い慣れたまま残したい | 画面とVBAはAccessのまま。各PCのAccessの版管理は続く |
| 業務システムとして作り直す | Webシステムやkintone等の既製サービスへ移す | 社外や外出先から使う、権限や承認を分けたい、複数拠点で使う | 業務の手順を洗い出す作業と、データ移行の照合が必要 |
1つ目は最も小さな対応で、期限への対処としてはこれで足ります。Access 2024は2029年10月9日までサポートされます。ただし、Office LTSC 2024のFAQによると、Accessが含まれるのはWindows版のみで、Office Home & Business 2024には含まれません。購入する製品にAccessが入っているかを確認してください。
2つ目について、MicrosoftはSQL Server Migration Assistant for Accessという移行ツールを公開しています。AccessのデータベースをSQL ServerやAzure SQLへ移し、既存のAccessのアプリケーションからリンクして使う手順が公式ドキュメントにあります。画面の操作を変えずにデータの置き場所だけを変えられる一方、Accessの画面を使う各PCの版の管理は続きます。
3つ目は、期限への対応というより、業務の作り方を見直す選択です。kintoneのような既製サービスで足りるかの判断はkintoneの限界はどこ?基幹システムへ移行する前の業務診断、Excelと併用している場合はExcel管理の限界を見極めるで扱っています。
自社の状況が3つのどれに当たるかは、「いま困っていることは期限だけか、それとも同時入力や外出先からの利用か」で決まります。困っているのが期限だけなら、1つ目で十分です。
期限までに作り直しが間に合わないときは?
期限の対応と、業務の作り直しを分けて進めます。先にAccess本体を更新してから、作り直しの範囲と時期を決める順番でも問題はありません。
作り直しには、棚卸し、要件の整理、開発、データ移行、利用者の確認という工程があります。期限の直前に作り直しを始めても、期限には間に合いません。この場合は、まず使っているPCのAccessをMicrosoft 365のAccessかAccess 2024へ入れ替え、サポート期限内の状態に戻します。
そのうえで、上の棚卸し表をもとに作り直しの範囲を決めます。Access本体の更新を挟むと、作り直しの時期を自社の繁忙期や決算期を避けて決められます。
古いソフトウェアを使い続けるときの確認項目は、古いシステムのセキュリティを見直すにまとめています。Accessのファイルの置き場所とバックアップの確認は、バックアップから復旧できるかを確認するも参考になります。
データ移行では何を照合すればよいですか?
件数、金額の合計、コードの対応の3点を、移行前と移行後で比べます。差が出たときに、どちらが正しいかを業務の担当者が判断できる状態にしておきます。
Accessのデータは、長年の運用で入力のゆれや使われなくなったコードを抱えていることがあります。移行のときに確認する項目は次のとおりです。
| 照合すること | 確認の方法 | 差が出やすい例 |
|---|---|---|
| 件数 | テーブルごとの件数を新旧で比べる | 削除フラグの付いた行を移すかどうかで件数が変わる |
| 金額の合計 | 月別・取引先別の合計を新旧で比べる | 端数処理の違い、税率の切り替え日の扱い |
| コードの対応 | 顧客コード・商品コードが新旧で一対一に対応するか | 同じ取引先が別コードで二重登録されている |
| 日付 | 締め日・出荷日が同じ月に入るか | 時刻を持つ項目で、日付の境界がずれる |
| 帳票 | 同じ条件で出した請求書・集計表が一致するか | VBAで行っていた補正が新しい仕組みに入っていない |
旧システムを止める日は、照合で差がなくなり、担当者が新しい仕組みで1回の締め処理を終えた時点を目安に決めます。旧システムを読み取り専用で残す期間も、あらかじめ決めておくと、過去のデータを探すときに困りません。移行全体の進め方はレガシーシステム刷新の進め方で扱っています。
工数と費用はどう見積もりますか?
作り直しの費用は、Accessの画面の数よりも、VBAとクエリに書かれた業務ルールの量と、データ補正の手間で変わります。
見積もりでは、次の作業を開発とは別に工数として置きます。
- VBA・クエリ・マクロの解析と、その処理が現在も必要かの確認
- 業務担当者への確認(例外的な入力、締め後の訂正の扱い)
- データの補正(二重登録の統合、使われていないコードの整理)
- 新旧の照合と、帳票の一致確認
- 利用者への操作説明と、旧システムを止めるまでの並行期間
当社の作業単価は 1時間11,000円(税込) です。要件定義・契約後のすり合わせ・開発・テスト・バッファの時間を積み上げて見積もります。バッファは固定の率で足さず、解析が終わっていないVBAなど、未確定の項目ごとに理由を示します。初回相談・認識合わせの無料モック・お見積もりは無料です。見積書の内訳の読み方はシステム開発の見積書の読み方をご覧ください。
よくある質問
Q. Access 2021はサポート終了後も使えますか?
起動して使うことはできます。ただし、2026年10月13日(米国太平洋時間)以降はセキュリティ修正と不具合修正が提供されず、延長サポートもありません。社内規程や取引先の監査で、サポート期限内のソフトウェアの利用が求められていないかを確認してください。
Q. Microsoft 365のAccessに切り替えれば、作ったデータベースはそのまま使えますか?
ファイルが開けても、VBAで外部のファイルや古い部品を参照している箇所は、動くかどうかを確かめる必要があります。本番のファイルを差し替える前に、コピーで入力・集計・帳票出力を一通り試してください。
Q. Accessで作った業務システムの作り直しは、どこから相談できますか?
棚卸し表が埋まっていなくても相談できます。Accessのファイルの用途、使っている人数、困っていることが分かれば、現状調査の範囲から決められます。
自社の状況を整理して相談する
Accessの版、使っている人数、VBAやマクロの有無、作った人が社内にいるか。この4点が分かれば、現状調査の範囲を決められます。リプレースの検討シートとAI相談用プロンプトを使うと、分からない項目は空欄のまま残して整理できます。Access本体の更新だけで足りるかどうかの確認からでも、ご相談ください。
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